Vol.1 宇宙ホテル「クリスタルスペースパレス」前編

普段着で宇宙遊泳・未来のホテル

今、南カリフォルニア、ロサンゼルスにて、ライブドア社長、「ホリエモン」ならぬ、「ドラえもん」の異名を持つ男がいる――その名も五月女剛(さおとめ・つよし)。彼の生涯の夢は、巨大な透明の球体でできた、宇宙遊泳できる施設が併設した宇宙ホテル、「クリスタルスペースパレス( http://www.sts-j.com/ )」を設計・開発することなのだ。

「現在できる範囲の宇宙旅行とは、体をベルトで固定され窮屈な宇宙船内の中で、飛行機にあるような小さな窓から宇宙をのぞくことに他ならないのです」と五月女さんは話す。「クリスタルスペースパレスは、まわりが完全に透明なので、視界をさえぎる物が何もないのです」

   
 

五月女剛(さおとめ・つよし)

夢追っかけ歴25年

シャボン玉の中心部分に爪ようじを指したような感じだろうか。爪ようじの部分には、ホテルからなる施設をつくり、オペラが鑑賞できたり、結婚式を挙げられたりする。中には空気を入れるということなので、重たくて危険度の高い宇宙服を着る必要は全くない。シャボン玉の部分である透明部分には、スターウォーズなどの人気の高いSF映画を映し出したりできるようにするという。

クリスタルスペースパレスを実際建設するのに、技術面での最大の課題は、その巨大な透明球体材料を開発することなのだという。今、科学の最先端にあるナノテクノロジー(分子レベルで材料内欠陥メカニズムを解明し、それを元に全く新しい物質をつくりだすもの)を利用し、UCLAでの博士課程を通して研究を重ねていくつもりである。

それはどのくらい先に実現する話なのかと聞くと、「予想はできない。しかし、工学的には不可能ではない。何しろつくるまで死ねない」と現在32才の民間宇宙旅行開発若手第一人者は目を輝かす。

彼によると、「サブオービタル(図 http://www.sts-j.com/ )」と呼ばれる、地球の上空100キロほどに上がって、数分間地球を眺め、帰ってくるという簡単な宇宙旅行は、2008年、実に2年後から始まるという。もちろん、値段も高い。 10 万ドル、つまり日本円にして1100万円かかる。

しかし、ビジネスとして需要が増えれば、当然価格は安くなっていくだろうと五月女さんは話す。それより何より、「宇宙旅行をもっと身近なものとして感じる人が増えるだろう」と五月女さんは推測する。そうすれば、インターネットがここ10年で急速に広まったということと同じで、開発にかける力が強まり、私たちが予想するよりも早くに一般の人たちが宇宙へ飛び出すという可能性も見えてくるのだ。

「クリスタルスペースパレス」のイメージ図を見てみたい人は、五月女さんが運営するNPO法人「 The Space Tourism Society Japan 」 のウエブサイト、 http://www.sts-j.com/  に行ってみよう。扉のページにイメージ画像がでていて、“CSPとは“をクリックすると具体的な説明文が読める。

(文・写真 堀口美紀)   後編・アメリカまで来た男・航空宇宙エンジニアへの道

 

 

一覧に戻る